余話徒然

余話を徒然に書いていくブログ。本についての感想の「読書徒然」などをメインに。

【読書徒然】vol. 12 クリスマスに何も予定がなければ、「 クリスマスのフロスト/R.D.ウィングフィールド」

まだ、11月半ばを少しばかり過ぎたぐらいだが、クリスマスソングを耳にするようになってきた。

年々、クリスマス商戦というものが早まってきているということを実感するのだが、自分ぐらいの年齢になると、クリスマス商戦もあまり関係がない。

ということで、自分自身は、普段と変わらない日常なのだろうと思うが、「クリスマスなのに何も予定がないのは、どうも・・・」という人は、”クリスマス”というタイトルがついたこの本を読めばいい。読めば、クリスマスに予定がないことなど、どうでも良くなってくる。

クリスマスのフロスト 」R.D.ウィングフィールドによる笑いのセンス抜群の警察小説だ。

自分は、あるシーンを読み進んでいたのだが油断していたため、思わず吹き出してしまった。非常に面白い。逆にクリスマスに予定が入ってなかったことを感謝するぐらいだと思う。

ロンドンから70マイル離れた田舎町デントンを舞台に起こる町で日常的に発生する大小さまざまな難問や小競り合いや事件。そのデントン警察に着任し、その警察の名物刑事フロストの部下になってしまった新任巡査。事務作業の苦手で仕事中毒でひっきりなしに下品なジョークを連発するフロストに、休む間もなく振り回されている中で起こる殺人事件。このフロストと新任巡査のコンビと、フロストの存在が自分の出世の減点ポイントになると考えている見得と保身の塊の所長との間で起こる、嫌味の繰り出しあいなど笑いのポイントが不意をついてやってくる。だけど、事件のストーリーはめちゃくちゃかというと、そうではなくしっかりしているので、読み応えとしてもバッチリである。このフロストを主人公としたシリーズとなっている。

「クリスマスのフロスト」「夜のフロスト」「フロスト気質」が週刊文春のミステリーベスト1位を記録し、「フロスト日和」が「このミステリーがすごい。第1位」となっている。

 

 

書名:クリスマスのフロスト

 (ISBN 978-4488291013)

ジャンル:警察小説

著者:R・D・ウィングフィールド

1928年イギリス、ロンドンに生まれる。石油会社に勤務するかたわら執筆を始め、68年にラジオドラマの放送作家としてデビュー。72年に小説第一作「クリスマスのフロスト」を執筆するも、カナダの出版社から刊行されたのは84年のことである。同書が評判となり、シリーズ第二作「フロスト日和」刊行後に専業作家となる。92年にITVでデヴィッド・ジェイソン主演のドラマ「フロスト警部」が放映。好評につきシリーズ化され、全42話が制作された。2007年没。翌08年に最終作「フロスト始末」が出版される

 

訳者:芹澤恵(せりざわめぐみ)