余話徒然

余話を徒然に書いていくブログ。本についての感想の「読書徒然」などをメインに。

【読書徒然】vol.6 こんにちは火星人「人間そっくり/安倍公房」

1か月ほど前の7月31日の火星の最接近から1か月経ったが、9月上旬ごろまではまだ、マイナス2等級ほどの非常に見やすい明るさで火星を見る事ができるそうだ。

 

その火星の話題で、先日は「火星の人」というSF小説についてのコメントをこのブログで書いたが、「火星」と聞いて、すぐに思い出す小説がもう一冊ある。

 

その小説は、安倍公房の「人間そっくり 」という小説だ。はじめて読んだのは35年ぐらい前なのだが、この作品で安倍公房にハマッタ。以来、この作品だけは、10年に一度ぐらいの頻度で読み返している。

 

あらすじはこうだ。《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところへ、自分は火星人であると名乗る男がやってくる。脚本家は、この火星人と名乗る男の主張にどんどん混乱されていくという話で、場面はずっと、この二人の会話がつづいていくだけなのだが、この本を読んだ後に、読者である自分自身が混乱させられ酩酊状態に近い形になってしまう。

安倍公房作品は「他人の顔」「砂の女」等、有名な作品は多数あるが、最初の出会いがこの作品だったため、本来、異色作品なのだが、その出会いの衝撃により自分自身の安倍公房作品基準をこの作品においてしまっている。なので、他人がどう言おうとベスト1の作品である

 

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